近頃、染色まんじゅう等といった食品の安全に関する事件が頻発し、食品安全問題が再び世論の注目する焦點となっています。調味料品業界では、“化學火鍋底料”、“一滴香”、“牛肉膏”等の事件が、消費者の調味料品に対する信用を失わせています。調味料品の安全は本當に大きな災禍なのでしょうか?現在の中國調味料品の発展狀況はどのようになっているのでしょうか?
調味料品産業は大規模化、ブランド化の傾向に進んでおり、2010年の統計データによるとトップ100企業の內、58社の調味料総生産量は500萬トン以上に達し、売上高は280億元以上となっております。その58社の中で売上高が1億円以上の企業は50社を超え、10億円以上の企業は5社あり、我が國の調味料品業界が1つの大きな転換期を迎えていると言えます。
調味料品の生産加工技術は絶えず改善され、設備も頻繁にバージョンアップされております。ドイツ、ヨーロッパ、日本、アメリカ等といった異國間地域の先進的加工技術は、我が國における“成果の源”であると考えております。品質管理と標準化作業をより一層強化し、調味料品業界での過去の食品工業における“並べられない”,“位置が見つけられない”といった問題は、現在國務院の関係部門でより重要視されております。例えば市場で製品を販売する際は、調味品をそこに含めるといったことが実行されております。
週刊誌:調味料品業界とその他食品業界の間には緊密な関係性が生じておりますが、調味料品業界の発展は、その他の業界にどのような変化をもたらしているでしょうか?
衛祥雲:過去私達は“おなか一杯になる”ことだけで満足していましたが、現在では“しっかり食べる”ことが重視されています。このような消費傾向がもたらす狀況の下で、私達食品工業業界はすさまじい勢いで発展して參りました。またそれと同時に、調味料品は次第に食品工業の成長と市民の消費における新たな1つ光となってきており、その地位はますます重要になっております。
まず、調味料品はすでに我が國の飲食業界の発展と、品質を高めるために必要不可欠なものとなっております。多くの有名レストラン、ホテルが特色のある調味料品から離れられなくなっています。それは調味料品が料理における“色、香り、味”といった作用を與える役割を持つために、消費者の中での重要性がますます高まっているからと言えるでしょう。調味料品は現在飲食業界市場の“奧の手”となっています。
その次に、調味料品は“廚房革命”と“インスタント食品”の進化においても重要なものとなっております。我が國の一般市民が廚房で主に消費するものは、米、麺類、油及びその製品ですが、現在では生活水準の向上に伴い、肉類、水産品、野菜などの消費も高まっております。またその中で調味料品は、その特徴にあわせて選ばれ使用されています。火加減や調理器具も當然重要ですが、一般家庭ではやはり味が第一であり、味は栄養とエネルギーを満たす前提であると言えます。もし栄養食品や機能食品の味が美味しくない場合、多くの消費者を取り込むことは難しいでしょう。
最後になりますが、現在調味料品の食品加工中における使用範囲はますます拡大しており、食品工業の発展にとって重要な補助材料となっています。多くの調味料品が最終消費品である他に、食品加工においても重要な原材料となっており、中間製品と食品添加物といった機能を持っています。例えば香辛料ですと、最終調味料としての用途は限りがあり、その機能は単一的ですが、中間原料としてのその用途範囲はますます広がっています。同時に調味料品とレストラン業界との結びつきは、消費者に限りない変化による“食”を提供するだけでなく、製品そのものの付加価値をも高めます。
食品安全の根源は社會問題にある
週刊誌:これまで多くの食品安全に関する事件が報じられてきましたが、これほどまでに、食品安全事件が頻発しているその原因をお分かりでしょうか?」
衛祥雲:現在中國の食品安全問題は數多く発生していますが、これは食品業界特有の現象や、食品法規やその執行といった問題でもなく、政府監督機関の管理を強化するだけで解決できる問題ではありません。このような亂れた現象は、法令を順守せず、故意に法を犯し、それらに対する法令の執行を“官民共同”で,行われていることが最大の原因で、社會的に深刻な問題となっています。
“社會的信用の損失”はこのような亂れた現象を生む土臺となり、我が國の実生活における種種の不公平を生み、そして上述の不公開の“規則”と“潛在的規則”が社會的信用の損失となる直接的誘因です。例えば三鹿食品は初め“粉ミルク問題”を不公正に、そして不公開で処理をした結果、ニ次被害をもたらしましたが、これはメディア広報と政府広報の“準規則”が、その原因であると言っても過言ではありません。
中國調味料品協會により起草された《調味料品分類》國家標準(gb/t20903-2007)中には、調味料品に対する定義があります。それは「飲食、調理及び食品加工において広く使用され、そのものの味と香りを調え、また食品の生臭さや油っこさを取り除く等の効能を持つ製品。調味料品は最終製品によって、17種類に大別され、食塩、砂糖、醤油、酢、化學調味料、ごま油、味噌類、大豆調味料、腐乳、魚醤、オイスターソース、オリーブオイル、料理酒、香辛料及びその製品、複合調味料及び鍋料理用調味料がある。」と記載されています。また《食品添加物使用衛生標準(gb2760-2007)中の食品添加物に対する定義は、「食品品質の改善や賞味期限の延長を促し、食品加工を容易に、また食品の栄養成分を増加させる一種の化學合成もしくは天然の物質を指す。食品添加物はその食品の色、香り、味などを改善し、防腐等のために加工工程中に加えられる化合?天然物質を指す。両者の定義、効能、分類などにおいては大きな區別がありますが、明確に類別さえすれば、管理は難しくありません。
調味料品業界 高速発展期を迎える
週刊誌:薪、米、油、塩、味噌、酢、茶の7つの調味料品を取扱う起業が、起業全體の3割を占めており、調味料品の日常生活における重要性をうかがい知ることが出來ますが、現在、中國國內における調味料品業界の発展狀況はどのようになっているのでしょうか?
衛祥雲:現在調味料品の生産販売量は、緩やかではありますが著実に増大しております。また製品自身の種類も増え続け、市場は空前の活気に溢れています。
一方で、食品安全問題の頻発と、行政管理及びその位置付けが定かでないということについては、お互いにかなり大きな関係性があると思われます。現在、食品の生産販売は不法に製品を販売した場合でも、それらを取り締まる法が厳しいものでないために、管理上の混亂と統制不可能といった現象を発生させています。このような悪質性の高い事件はしばしば発生するだけでなく、民衆に対して極めて大きな影響を與えます。これは食品業界の行政管理と、その理論上の概念がはっきりしないといったこととは関係がないため、食品業界の管理上の問題を解決することができなくなっています。行政管理には強い強制力があり、また業界管理には引導性の働きがあるため、どちらか一方をかかすことは出來ず、異なる職能と位置付けを持ちます。
行政管理部門の力不足が、部門間の分業を不明確にし、調味料品生産の安全管理の職務上の責任が判然としないといったことを引き起こすのでしょう。互いに責任を押し付け合い、法規を順守しなかったり、取り締まりが甘いといった問題などです。これは食品の生産と販売に潛在的リスクを生み、食品業界の健全な発展を阻害し、消費者に深刻な問題をもたらすことになると思います。また業界管理の位置付けがはっきりしないことについては、食品生産の明確な発展目標を欠かすことになり、直接食品業界の技術と新製品の開発に影響を及ぼすでしょう。食品企業の競爭力に影響を及ぼすだけでなく、業界を委縮狀態にさせ、消費者からの増え続けるニーズと、食品工業のスピード感ある発展に適応することは難しいと言えます。
週刊誌:現在の食品安全の情勢について、どのような意見をお持ちですか?
衛祥雲:社會上の“不公平及び不公正”そして“不公開”といった規則と“潛在的規則”は社會的信用の喪失をもたらします。信用問題は食品安全事件を頻繁に引き起こしますので、根本から我が國における食品安全問題を解決する必要があります。食品業界の科學技術や多くの専門的人材、企業と企業家の共同努力や業界の中間業者の質の高いサービス、政府による公平、公正で公開的な政策などに頼る必要があります。そしてさらに頼るべきなのは良好な社會経済制度と政治體制による保証です。
その他、食品業界の行政管理と、業界が管理する內容の更なる研究と明確化が、食品行政管理部門の行政管理機能を著実に実行させ、政府管理部門との食品行政管理上で部分的に重なる部分を取り除くことができます。食品業界の業界管理を完全に業界協會に移譲することにより、根本的に“管理すべきところはしっかり管理し、開放すべきところは開放する”といったことが可能になると思います。これにより我が國食品業界の管理が、次第に國際的なレールに乗っていくことになるでしょう。
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